オリジナルパッケージの「色校正」とは
そのデーターで希望通りの色が刷れますか
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オリジナルパッケージ製造における専門的な情報のご紹介(業界での一般的な情報となります)
お客様の中にはご存じ無い方もいらっしゃるのではないでしょうか?
色校正とは、量産印刷する前に全体の色調を確認するための試し刷りの事。
実際に使用する紙(本紙)に印刷用のインクを使用して印刷します。
実際の印刷に非常に近い仕上がりなので、写真の色味や全体の色調確認には欠かせません。
目的は実際に使用する紙(本紙)に刷った時の色調確認が中心となります。
「メリハリのついた写真にあがっているか?」
「ボヤけたり、色が濁ったりしていないか?」
「顔色は健康的な色になっているか?」
「商品や製品の色は再現されているか?」などの写真のチェックもします。
印刷業界では簡易校正が主流かもしれませんが弊社で示す色校正とは本紙校正(平台校正)を意味します。
色校正の使い分け
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まずは、初校(平台校正)で全体的な色味のチェックを行います。色味に問題があれば、再度本紙校正(平台校正)を出し直す必要がありません。写真や色味に問題はなく、文字修正のみの場合は、簡易校正で確認をとります。初校で色味に問題がなければ、PDFファイルで確認する場合もあります。平台校正の特徴として、CMYKの他に、特色を再現することです。活字中心の書籍とパッケージが異なる点として特色や単色で印刷する面積が大きいデザイン事でしょう。
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デジタルコンセンサス
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DDCP(コニカミノルタ製)※2016/3,感材の供給を停止により廃止 |
DDCPとはDirect Digital Color Proofingのことで、デジコン(デジタルコンセンサス)は、専用の出力紙、インク、印刷機を使用します。特徴は網点を再現できることです。モアレ等の発生の予見も可能です。専用紙、専用インクで刷るので色味の最終確認は出来ません。上記のコンセンサスと異なる点はオフセット印刷の網点を再現出来ることです。
※特色は非対応です、プロセスカラー(CMYK)のみの再現となります。
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プルーフマスター(大日精化工業製) |
DDCPに変わり承れるデジコンです。網点を再現できる事に加え厚紙に対応。専用インクで刷るので色味の最終確認は出来ませんが専用紙は不要となるのでサンプル作成等にお薦めです。刃渡りに制限がございますがコートボール400g前後の厚みは問題ありません。
※特色は非対応です、プロセスカラー(CMYK)のみの再現となります。
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本機校正
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本機校正は実際に印刷するものと同じ紙、同じインキ、同じ印刷機を使用します。量産と全く同じ環境で行いますので、用紙とインキを用意し、版を出力し、印刷機をまわすという流れになります。その分、時間も費用も掛かってしまいますが、校正の段階でほぼ確実な色味を確認することが可能です。実際の印刷機を動かすため、ある程度の日数が必要となり、コストは他の校正と比べて割高となります。
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本紙校正ご提出は翌日(実働日)
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●特別な用紙を除き、ご入校頂いた翌日には本紙校正をご提出可能。
※特殊な用紙は取り寄せてからの進行となります。
※キャンセルは不可です、または作業進行までの実費をご請求させて頂きます。
【表面加工について】
●グロス&マットニスは、追加日数は不要です。
●グロス&マットPP、グロス&マットビニール、プレスコート、LCコート、UVクリアー、箔押等、追加日数が必要となります。
●色校正での疑似エンボスは非対応です。
●支給頂いたファイルに問題がある場合は再入稿頂いております(RGBカラー、文字の未アウトライン化)
●色校正をサンプルカットする場合は、追加日数が必要。
●UV色校正は、追加日数が必要。
■左:展色見本:特色だけでデザインされるオリジナルパッケージも珍しくありません。
■中:本紙校正:凸凹のある本紙に刷ったものですがインクを吸う為、発色も沈みます。
■右:本紙校正のご提出は翌日可能です、サンプルカットを希望する場合は翌日納品は対応しておりません。
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どんな環境で印刷物を確認してますか。 |
現場で印刷物をチェックする環境では専用蛍光灯、5000K(ケルビン)で500~600lux(ルクス)程度を使用しています。
印刷物を確認する環境によっても見え方は異なります。
事務所内で確認した時と事務所から出て青空の下(自然光)で確認した時では同じ色でも違ってみえたりします。
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色見本 |
色校正を刷るターゲットとしてレーザープリンターやインクジェットプリンターの見本を頂く事があります。目標として問題はないのですが、オフセット印刷と違う紙、インクを使用する為に近づける事は可能ですが同様な再現は出来ません。 |
※写真はインクジェットやレーザーで表現出来ない刷銀と呼ばれるシルバー全面印刷に特色オレンジのグラデーションをオーバープリントしたテスト刷りです。 |
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紙 |
製紙メーカーや商品によって特性は異なり、腰の強さ、表面の平滑性、同じ色でも青白いものからアイボリーっぽいものまで様々です。価格の安いコートボール(表面が白く裏が鼠色のボール紙)は紙の地色に影響を受け印刷物が濁ります。
よくあるリクエストで濁りを取ってほしい、とありますが紙を変えるしか方法はありません。また下地に白インクを刷ってから〜とリクエストも多々受けますが透過性のあるインクでは期待程の効果は得られないのが現状です。
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色校正に関するよくある質問
- Q:スミ文字だけですが色校正は必要でしょうか
- →必要無いと思います。プリンターで出力したものの確認で問題ありません。
- Q:費用をかけられないので色校正を省きたいのですが
- →可能です、ただし刷り上がりの色味に関してナリユキとなります(印刷されたなり)
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